富士山七太郎尾根

期日: 2016年5月21日

メンバー: 工藤S、工藤M、田中、永田

コースタイム:5/20 21:00道の駅鳴沢集合(泊)

5/21 4:50御庭Ⓟ-11:15釈迦の割石西側-久須志岳-久須志神社-

須走8合目小屋-15:40吉田口五合五勺(6合目)-16:20河口湖口5合目

 

 駐車場から道路を渡り、ゲートを通り抜け、石畳を歩いていくと荒廃した山荘があり、その脇からズルズルした登山道とも言えない道を登り始めた。

 長いザレ場が続き、標高3,380m位になってやっと岩盤帯が出てきて歩きやすくなった。ザレ場、岩盤帯を繰り返し山頂直下になると残雪がありそれを避けて通過し、雷岩の東側から山頂へ出た。釈迦の割石で休憩、昼食にした。久須志岳に登り、久須志神社から8合目まではアイゼンを付けて下った。ここで須走口から別れ吉田口となった。吉田口の登山道沿いには、山小屋がいくつもあり花小屋を過ぎるとブル道の様な砂ぼこりの舞う道となった。ヘアピンカーブが続きやっと佐藤小屋が見え五合五勺(6合)の砂ふるいに着いた。安全指導センターの前を通り砂防シェッドを抜け石畳の道になった。石畳の緩い登りが続きやっと河口湖口五合目に着いた。

 下ってくる途中何カ所も砂防工事が行われていたが、どこもその工事個所が砂で覆われてしまっていた。自然の大きな力には勝てないなと思いました。 

雷岩の前で

八合目までの長い下り



富士山屏風尾根

2014年5月31日

メンバー:SK、MK

小御岳流し同時登攀(田中)

コースタイム:2014、5、31 河口湖五合目発4:50〜泉ヶ滝5:05〜屏風の頭8:56〜白山岳10:48〜久須志神社11:20―発11:32〜六合目13:36〜河口湖五合目14:25

 

 富士山のバリエーションルートの一つが屏風尾根。富士山の山頂の吉田大沢の左岸で白山岳から泉ヶ滝へと張り出して広い岩尾根である。かつては、冬季に吉田尾根七号目から大沢をトラバースして取り付くのが一般的ルートであったが、大沢が雪崩や落石崩落の危険性が高くなり、尾根の末端から取り付くようになった。

 今年は、残雪量が多く、私たちは、泉ヶ滝周辺から取り付く気持ちで現場に行ってみた。すると、泉ヶ滝はまだ、雪の下の状態。そこで、その残雪を登り出すことにした。樹林の枝で進むのを妨げられながらも、尾根上の樹林帯の中にある残雪登り進むと、樹林を抜け岩と潅木の尾根になる。やがて残雪が覆う尾根歩きとなる。隣の小御岳流しを登っているTさんを直接見ることは出来ないが、無線で彼も順調に高度を上げていることを確認しながら進む。右にある、小御岳流しの窪地の先の尾根状の稜と屏風尾根の合流点、すなわち屏風尾根の頭に近づく。広い屏風尾根も登り進んで来ると、狭く成りだして、大沢越しに吉田登山道を見ることができるようになった。そちら側には、7〜8名の登山者を確認できる。Tさんも屏風尾根の頭に向けて、先に登っている姿が見えて来た。

  順調に広い残雪の尾根を登り続けると、久須志岳の大沢側の岩帯と同じ高さまで来た。その右の丘状が白山岳。やがて、山頂に測量用の機器と鳥居が見えた。一休みしてアイゼンを外して久須志神社まで行き、下る吉田口を覗くと、来るわ来るわのスキーヤーと登山者。広い雪面を登る登山者の列を避けなら下って行く。この時期の富士登山には、尻セイドしても惜しくないオーバーズボンを着て、軽快に尻セイドすると楽に下山できたのにと、ちょっと後悔した。

山中湖を輝かす日の出

小御岳神社を見下ろしながら登る

山頂への最後の登り

ようやくたどり着いた富士山白山岳山頂


富士山小御岳流し

期日:2014年5月31日

メンバー:田中、(屏風尾根から合流:工藤S、工藤M)

コースタイム:吉田口五合目出発4:50~取り付き5:00~屏風尾根組合流10:20~白山岳10:44~吉田口頂上(下山開始)11:15~吉田口五合目着14:157合目付近から上部を見る

 

 現在の富士山は先小御岳火山、小御岳火山、新富士火山の3つの火山体から構成されている。今回のルートは小御岳火山頂部の小御岳神社付近からほぼ直登できる。工藤夫妻は以前に登っているので取付き点で別れて、屏風尾根と小御岳流しそれぞれのルートから無線機で現在地点を確認しながら高度を上げる。岩の露出した部分はのっぺりしていて、これが溶岩流だと納得する。快適に雪面を選んで4時間ほど登ったところで屏風尾根を登ってくる工藤夫妻が確認できた。高度を上げるほどに傾斜が強くなり、息が上がる。上部にはクラックの入った雪面があり、落ちないか少し心配になるが無事に通過した。頂上直下は雪がなくなり、ガラガラの斜面を登る。約6時間で誰もいない白山岳に到着した。(記録:田中)

朝陽に輝く雪面と山中湖

7合目付近から上部を見る



大沢左岸

期日:2016年05月15日

メンバー:工藤、藤原(記録)

行動記録

 

 富士宮山岳会に入会してから三年がたちました。その地元のシンボル的存在であり、今では世界遺産となった山、「富士山」初めて登った時は一回登れば十分な山だと思っていました。しかし、工藤会長と知り合い富士山のバリエーションルートの話を聞かせって頂いた時、富士山ってこんなに歴史があり様々な登り方がある楽しい山だなと思うようになりました。それからは時間があれば会長に様々のバリエーションルートに連れてってもらうようになりました。そこで今回は、大沢左岸に行くことになりました。

 まず、お中道を大沢方面に向かって歩くのだが、普通はお中道といえば富士宮口五合目から六合目まで一般登山道を歩きそこからブル道に外れてお中道に入るのが一般的であるが、そうすると一回、東に向かって歩きまた西に戻るような感じになるので遠回りになってしまうので、五合目の時点から西に向かって斜め上に歩いて行けば、いずれお中道ぶつかるのでショートカットになるのである。そこから黄色のペイントを目印に進んで行くのだが、結構掘れていたり、岩が脆く風化している為に上がり下がりする場所が多く、歩きにくい箇所も多かった。そこから箱荒沢、執杖流し、ダケカンバやシャクナゲの樹林帯、鬼ヶ沢、桜沢を越えて行った。岩にこれらの沢の名前がペイントで書いてある為わかりやすく、しっかりと見渡せば黄色のペイントがあるし樹林帯では昔のお中道の看板やピンクテープあるのでわかりやすいと思う。しかし、ガスられる分りにくいと思った。そのまま進むと不動沢に着くのだが、樹林帯から不動沢に降りる所の梯子が壊れており代わりにロープが垂らしてあるのだが、足場が見えにくい為に降るのに怖かったが、無事に降りることが出来た。やっと、大沢左岸の取り付きである不動沢まできた。ここから沢を上り詰めて大沢左岸に出るのだが、最初はいい感じの傾斜だが半分ぐらい進むとてを手を使わないと登れないぐらの傾斜になってくる、しかも岩はツルツルだし途中からは岩が無い為、草木に捕まりながら登っていくのだが足場が土なので滑りやすく少し怖かった。そこを超えると溶岩の岩盤にかわり、かすかに剣ヶ峰が見え、左手には大沢左岸が見てくるそれにしても物凄い迫力で、遮る物が何もない為にとにかく暑かった。中々来れない場所だけに凄く感動して、せっかくだから近くで見よう思い歩いていたら地面に亀裂が入って下の方が見ていたので工藤会長と二人で慌ててその場を離れました。ひたすら直登していくのだが、砂利の所を歩くと滑ってしまいほんとに歩きにくいので岩盤の上を歩いたほうが歩きやすかった。ひたすら登り続けてやっと思いで剣ヶ峰についた。今回は本当にいい経験をさせていよかったです。改めて大沢崩れ大きさを実感することが出来ました。


剣ヶ峰大沢右岸ルート調査

 期日:2013年6月25日

メンバー:工藤S、工藤M、田中(記録)

 行動記録 6月24日 鳴沢道の駅で仮眠

6月25日 3:30出発-4:20スバルライン御庭4:32〜5:54大沢休泊所

6:05〜6:16見晴台〜10:10右俣・左俣分岐点〜10:40残雪部〜12:00大沢源頭部12:05〜12:38白山岳12:45〜13:01下山開始13:15〜16:10富士吉田口五合目 

 

 2006年冬に大沢上部の氷壁で敗退していたので、大沢源頭部がどのような風景なのか楽しみだった。

前夜発。鳴沢道の駅で仮眠後夜明け前に出発し、スバルラインのゲートを通過する。夜の雨も上がって今日はなんとか天気が持ちそうだ。御庭駐車場のトイレは立派なものに建て替えられていた。

 4:40 御庭を出発し、ひと登りしてお中道を西に進む。一息入れてから念のためヘルメットを着けて踏み跡を確認しながら右岸を登り始める。

  6:25 しばらく歩くと見晴台の立派な石碑に出た。旧来の見晴らし台の大沢側に張り出した見晴らし台から移転したものだ。天気が良い日は南アルプスまで見えるだろうが、今日はガスが出てあまり視界が良くない。それでも右手には深くえぐられた大沢が姿を現す。所々に黄色や白のペンキマークが残っている。冬季大沢の底に降って行く目安になっている。天狗岩、ロウソク岩は小さくなった感じだが、まだ立っていた。

 8:45 植物の種子を採取するネットが何ケ所か仕掛けてある。花はイワヒゲ、ハクサンイチゲ、イワギキョウなどが咲いている。森林限界を超えるとガレた岩場になって落石をしないように注意して進む。標高3000mになると日陰に残雪が出てくる。

  10:10 高度計3300付近眼下に右俣・左俣の分岐と、頭上には山頂測候所が確認できた。赤茶けたスコリア層の砂地になって歩きにくい。(大沢奥壁内部にある)ノコギリ岩と雷岩を見たいが大沢側の岸部の岩には、割れ目が走り崩壊の危険があるので末端には容易には近づけない。遠目からガスの切れ間に見るだけだがそれでも十分な迫力がある。

  11:00 お鉢稜線のシンボル的な大岩が見えて山頂稜線まであと少し。ここまでくればもう安心なので3人で記念撮影する余裕が出て来た。工藤氏が以前に来たときよりもかなり崩れが進んでいる様子。

  12:00 剣ヶ峰と白山岳の中間地点のお鉢に抜け緊張感から開放された。火口を覗くとまだたっぷりの雪が残っていた。白山岳の下部も岩の状態が不安定に思われる状態だ。

 13:15 吉田口から下山開始。吉田口の山小屋の関係者が山開きを前に忙しそうに仕事をしていた。

  16:10 12時間近い行動時間でさすがに疲れたが無事に五合目に到着。周辺は観光バスの乗客で、とてもにぎやかだった。(記録:田中)

風雪に耐えた地を這うカラマツの巨木が見事である。

滑沢→仏石流し→一番沢→前沢といくつかの沢を通過して大沢休泊所に着く。

傾斜が急になって息が上がってきたころ、稜線の霧の間から太陽が覗き神秘的だ。

見晴台の石碑

所々に黄色や白のペンキマークが残っている。冬季大沢の底に降って行く目安になっている。

花はイワヒゲ、ハクサンイチゲ、イワギキョウなどが咲いている。

森林限界を超えるとガレた岩場になって落石をしないように注意して進む。

天気が良い日は南アルプスまで見えるだろうが、今日はガスが出てあまり視界が良くない。それでも右手には深くえぐられた大沢が姿を現す。

赤茶けたスコリア層の砂地になって歩きにくい。

11:00 お鉢稜線のシンボル的な大岩が見えて山頂稜線まであと少し。3人で記念撮影する。

12:00 剣ヶ峰と白山岳の中間地点のお鉢に抜け緊張感から開放された。

火口を覗くとまだたっぷりの雪が残っていた。

白山岳山頂

 


執杖流し

期日:2011年11月4日         

行動記録:富士宮口五合目5:15~執杖流し出合い9:31~山頂12:45~富士宮口五合目15:48

 

 富士山のバリエーションルートで一番登られている執杖流し。昨年田中君と登ったが、登りたいとの要望があり本年もトレースする。私にとって何回来ても、日本最高峰剣が峰に直接登り詰めるコースは、心躍るルートだ。

 お中道に入り、そこから黄色のペイントや新しい白いペンキを目印に横断道を行く。途中に横断する青沢と思われる沢が大きくえぐれ、かなり下降し、深くなった沢筋への下降地点を探し、樹林の中を少々迷走してしまった。横断を続けると、スラブ状の典型的富士山の沢、箱沢を横断する。さらに横断を続けると、ようやく執杖流し出合いに着いた。かつて誰か、間違ってこの出合いの岩に「主杖流し」とペイントしたため、ネット上では、「主杖流し」の名が多く使われていたが、今回はそのペイントを確認できない。

 いよいと、山頂まで続くスラブ状の執杖流しの登りにかかる。ひたすら直登していくのだが、砂利の所を歩くと滑ってしまい、本当に歩きにくいので岩盤の上を歩いた。快晴で、後を振り返えれば、下界が見渡せる。足元から下界まで、直線的に見渡せる風景は、爽快である。しかし、山頂部が見えず、ひたする溶岩の岩盤を登り続けて行く。やがて、測候所の建物が、見上げた先に見えてきた。やっとの思いで剣ヶ峰に着く。

 今回の執丈流し登山は、快晴の下、一日中山頂部を見上げ、振り返って下界を眺める。その繰り返しで登り続けた日本最高峰への登山。改めて富士山の高さと、垣間見える大沢崩れ大きさを実感することが出来ました登山であった。