御嶽山(県岳連秋山登山教室)2018年10月6~7日

期日   2018年10月6日~7日

メンバー MK 岳連講師2名 参加者8名

日程   10/6  濁河温泉~五ノ池小屋(泊)

     10/7  五ノ池小屋 → 二ノ池 → 御岳山山頂 → 五ノ池小屋 → 濁河温泉

 

 県岳連の行事で、御嶽山に行く。前夜発でチャオスキー場の近くのマンションでごろ寝し、翌日、濁河温泉より五ノ池小屋を目指して出発する。秋山登山教室の趣旨は、山小屋生活の仕方と自炊のやり方だ。荷物は少々重くなるが、楽しみに来る人は多い。スタッフとしては毎年メニューを考えるのが大変だ。来年は、若い人にバトンタッチしたい。

  

 重い雨雲が垂れ下がっている中、濁河温泉を出発する。右手に深い谷を見ながら登っていく。途中、右手より胡桃島キャンプ場からの登山道と合流する。9月に来た時には、胡桃島キャンプ場から登ってきた。樹林の中のだらだらした登りでのんびり登れた。この頃より雨がぽつぽつ降りだしてきた。八合目のお助け水(水はない)を過ぎ、ハイマツの中の道を右にトラバース気味に登っていく。風も吹き始め、寒くなってきたので、元気グループには先に行ってもらいじっくり組はゆっくり登って行く。コルに小屋が見える頃になると、横殴りの雨になってきた。

 

 五ノ池小屋は新しく、感じのいいおじさんが経営している。ストーブがガンガンたかれ、先に着いた人たちはスモークチーズやスモークウィンナーをつまみに一杯やっていた。参加者の中には、なかなか山の物に凝っている人が多く、手作りのアルコールコンロを持って来て作り方を教えてくれる人や、メスティンの使い始めの儀式について講義をする人もいて、大変勉強になった。

 翌日は、先週から山頂が解禁になった御岳山の山頂に向かう。五ノ池小屋を出発し、摩利支天には登らず、三ノ池を左手に見て賽の河原を二ノ池に向かう。二ノ池本館は、一生懸命修復していた。小屋の前に大きな池が見えてきた。二ノ池だ。池の中に、2~3個の岩が頭を出していた。静かな白い池だと思っていたのは、白い砂だった。水をたたえていたのはほんの一部だった。火山灰だ。私は初めて気づいた。そうだ、ここは御嶽山だ。あの噴火以来封印されていた御嶽山だ。こんな大きな池を埋めてしまうほどの火山灰降ってきていたのだ。池の淵をまわって登って行くと、多くのヘルメットをかぶった登山者が登ってくる。ロープウェイから登ってきた人たちだ。手に何かを書いた白い布を持っている人たちもいた。噴火以来、初めて登山することが許されたので、慰霊登山に来ている人が多かった。山頂に近づくと四角いコンクリートで出来た箱のような物が目に入ってきた。シェルターだ。登って行くと、一つ、二つ、三つ、・・・ そしてその向こうに生唾を飲み込むような光景が広がっていた。トタンは、まるで紙を手でグシャッとつかんだように折れ曲がり、残っている屋根や壁には、大きな穴がたくさんあいていた。これでは、とても建物の中に逃げ込んだとしても、とても助からないだろうと思われた。どんなに怖かったか想像もつかない。私たちがいつも登っていた、田ノ原からの道は、まだ、閉鎖されたままだった。御岳山の奥社の階段を上り、多くの犠牲者の方の冥福を祈った。

(記 MK)